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いち東大生の書評ブログ

最近やっと熱心に本を読むようになった、とある文系東大生による気楽な書評ブログです。

金持ちが語る幸せの定義―『ユダヤ人大富豪の教え:幸せな金持ちになる17の秘訣』

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)

今回紹介するのは、本田健『ユダヤ人大富豪の教え:幸せな金持ちになる17の秘訣』大和書房(2006年)です。
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『○○代にしておきたい17のこと』シリーズで知られる筆者の作。累計300万部を超え、世界中の言語に翻訳されているベストセラーということです。

20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)

20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)

筆者がアメリカに滞在した際、とあるユダヤ人大富豪に出会い、人生における幸せの意味や、どうすればお金を稼げるかなどといったことについて受けた教えをまとめた本です。


一か月ほど共に過ごして教えを受けたということですが、その時のやり取りがかなり詳細に記されています。しっかりとメモを取るなどしていたのでしょうが、物語として若干の脚色はなされていると思います。


筆者が教えを請うたユダヤ人大富豪のゲラー氏は、落ち着いた雰囲気で自分の考えを押し付けたりすることなく、それでいて説得力があり、筆者を虜にします。
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では、教えの具体的な内容をいくつか見ていきましょう。

・「人生は『考えること』と『行動すること』の二つでできている。いままで考えてきたことと、思考の結果行動してきたことの集大成が君だ。」
うーん、なるほど、と言いたくなります。この上で、ゲラー氏は日常的に考えたことについて意識的になるようにと筆者にアドバイスをします。


・「人は人を喜ばせた分だけお金を受け取れるようになっている。」
これはにわかには信じられない人もいるかもしれません。「喜ばせただけじゃお金にならないだろう!」と。ただ、ゲラー氏はこれより前のところで「君が提供したサービスの質と量=君が受け取る報酬額」としていて、「喜ばせる=サービス」と捉えればすんなり理解できるでしょう。経済学的には「『喜ばせた分』が計量出来ないから、そんなことを言っても仕方ない!」と言いたくなりますが、この場面ではそれは野暮なものです。


・「もし自分でできたとしても、できるだけ多くの人を巻き込んで助けてもらうことだ。」
これは当然といえば当然なのかもしれませんが、敢えてはっきりと言うことには意味があると思います。人は一人で生きているわけではないですからね。


ゲラー氏はまた、ただ一方的に教えるだけではなく、時には筆者に課題を与えて自ら考えることを促します。例えば、電球を3日以内に1000個売るという途方もない課題に対し、筆者は悩みながらも工夫して取り組みます。どのようにして課題を達成したかは、是非実際に読んでみて「なるほど」と唸って頂きたいところです。
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ゲラー氏の教えもさることながら、「こんな出来事もあるんだ」と非日常的な内容に驚かされ、とても楽しく読むことが出来ると思います。


ただ、納得できることも非常に多かったのですが、個人的にはこのような「人生で成功するための本」の類は「本当にそうか!?」とどうしても疑り深くなってしまいます。


自分の現状と重ねながら読んで悦に入るのは誰しも気分がいいと思いますし、実際私も大好きですが、書いてあることを絶対視するのではなくて「そういう考え方もあるんだな」「これは自分とは違う考え方だな」などと客観的・批判的に読むのも大切なのではないでしょうか。


ただ、大富豪や筆者には「そんな態度だとあなたは幸せなお金持ちになれないよ...」言われてしまいそうですね。それに、頑な過ぎるのも考えものです。「それは確かにそうだな」と思えたら、ちょっと根拠に欠けていても意地を張らずに受け入れてみるのもいいかもしれません。


問答無用で受け入れたり、有無を言わさず否定したりするのではなく、バランスの良い読み方をしていきたいものですね。皆さんはどうでしょうか?